(以下、カタマリ王妃様より提供頂いたものを多少修正して掲載します)

 人間族の伝説にいわく…

 ハルモニア世界はかつて四つの大陸と
それらを満たす海からなっていた
 この地を統べる我らが純音の神、アト
ビオンのもと、世界は平和にまどろんで
いた… 


 だが、ある日突然天が裂け、ガリハア
クと名乗る悪神が現われた。ガリハアク
は天界の彼方の世界から現われた、凶音
の神という。アトビオンは世界を守るた
めに、ガリハアクと戦った。
 戦いは長きに渡った。海は裂け、地は
破れ、暗黒と光明が交互に世界を覆った
という。戦いの終わりには、四つの大陸
のうち三つが海中に没し、かわりにその
場所には無数の小さな島々が現われた…
かろうじてその姿をとどめた一つの大陸
は、戦いに荒れはて、生きるもの全て無
く、血が河のように流れたという。

 ガリハアクは傷つき、天界に逃れた。
戦に勝ったアトビオンも、深手を負った。
アトビオンは、自らを癒すため、世界の
中心にある水晶柱に身を横たえ、眠った。
そして、今もなお眠り続けている。

 アトビオンが眠っている間、水晶柱は
その心臓の鼓動により規則的に震動した。
それは、聖なる共鳴として世界を包み、
ハルモニア世界に侵入しようとする悪鬼
らたちにとって、侵入不能の壁となった。
 この震動は全ての楽器の基音となり、
その音はアトビオン神の頭文字をとって、
A音と名付けられた。
 音階はそのままアトビオン神の文字を
とり、ATBIOHNとなった。

 調和の保たれた歌は、聖なる共鳴を強
める力を持つとされ、ほめたたえられる
ところとなり、かくして各地で美しい歌
が歌われることとなった。
 歌は各地で研究され、やがて”歌魂(
うただま)”が発見された。歌魂は、普
通の歌に魂を、魔法的力をこめるもので、
神の力に通じる。その力が最大限に発揮
されると、眠れる神アトビオンすら起こ
すことができるのだ。
 その力の強大さが分かったとき、歌魂
の研究は封印された。だが、一部の研究
者は、地下に潜って研究を続けていた…



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